新作のストールを作る準備をしています。
絹糸を扱うには、言わずもがな”精練”という、セリシンや無駄な成分を落とす作業が必須。
もちろん”きびそ”もこの作業が必要です。
でも”きびそ”の精練って実際どうやってやるの???
はい。行って来ました東京都立産業研究センター。
父が40年勤めていた会社です。ちなみに母とは職場結婚です。私が生まれたルーツでもあります。はい。
都内でテキスタイル関係の勉強、お仕事をしてる方なら1度はお世話になる駆け込み寺。
折角なので加工方法を公開したいと思います。
1:精練前の”きびそ” 乾燥していて裂きイカみたい
2:これを4綛ずつ紐で束ねる。※この作業、大事大事。
3:湯通し(80℃ × 10分)あちちっ!
4:薬品を入れる。※酵素(2g/ℓ)、重曹(5g/ℓ)、浸透剤(界面活性剤)(1g/ℓ)の割合
※この時お湯の温度は50~60℃を保つ。酵素は60℃を超えると死んでしまうので注意!
5:ムラにならないように湯に浸かる部分を動かす。
6:浸け込む。
5、6を繰り返す事1時間半。
柔らかくなってきた★
7:水洗い
水のにごりがとれる位。これがメチャしんどい。 水を吸った糸が重いことったら!
全身筋肉痛ですわ。
8:軽く脱水
あ、なんか白くなってる
9:乾燥
綺麗になった★ちょっと感動的。
日々勉強です。
お世話になった都立産業研究センターの皆様に感謝です!
次回はこの”きびそ”を、織り物の経糸にする為、ノリ付けをしたいと思います。
★まとめ★
【材料】酵素(2g/ℓ)、重曹(5g/ℓ)、非イオン界面活性剤(1g/ℓ)
【前処理】湯通し(80℃ × 10分)
【精練温度・時間】50〜60℃ × 1時間半
【後処理】水洗い
【浴比】1:100
